さよなら、わたし
虐殺器官読んだ後、一気に読みました。
『ハーモニー』伊藤 計劃
ストーリー
アメリカ合衆国で発生した暴動をきっかけに全世界で戦争と未知のウィルスが蔓延した「大災禍(ザ・メイルストロム)」によって従来の政府は崩壊し、新たな統治機構「生府」の下で高度な医療経済社会が築かれ、そこに参加する人々自身が公共のリソースとみなされ、社会のために健康・幸福であれと願う世界が構築された。
ザ・メイルストロムから半世紀を経た頃、女子高生の霧慧トァンは生府の掲げる健康・幸福社会を憎悪する御冷ミァハに共感し、友人の零下堂キアンと共に自殺を図ったが、途中で生府に気付かれ失敗し、ミァハだけが死んでしまう。Wikipediaより
前の虐殺器官の後の時代の話で、前作の主人公のせいで世界は、大虐殺時代に突入してしまったみたいです
責任とれてへんやないけー!とも想わないでもないですが。
ハーモニーの映画は百合展開だったとのことですが。
そうですね。百合といえば百合だったのかな。そんな百合百合してなかったですが。
虐殺器官が世界の終末の話だと思ったのですが、ハーモニーはそのあとの新世界の話かな?
誰もが自分の情報を開示する世界。
誰にもやさしく、公共性な世界。病気にならない世界。
WatchMeに体を監視され続け、抑圧を押さえ込まれた優しい世界。
ミァハが望んだ世界は、果たして幸せな世界なのかな~。
ある意味、平和になるための究極の選択なのですが、全体と個人、私とは、人間とは、何をもってして、人たりえるのか?というのを考えさせられる話でした。
トァンは、自分がやりたいからやる!世界なんか知るか!利己主義じゃーー!!ということで最後貫いていった感じがします。
その結果、世界全体がああいう風になってしまったのは、英雄だけでは世界は救えないということなのかも知れないですね。
巻末に伊藤さんのインタビューが載っているのですが、本当にハーモニーが遺作になってしまったのが、残念です。
伊藤さんなりの、この世界の後の答えを書いてほしかった。
と家で本当にorz ポーズになってしまいました。
が、しかし、円城さんが書いた『屍者の帝国』も読みまーす。
伊藤さんの長文はこの2冊とメタルギアがありますが、短編も2冊ほどでているので、またよんでみたいと思います。
かなり、自分が好きなSFでございました。